発達障害の表現は色々とありますが、「デコボコ」と表現されることがあります。この「デコボコ」とは何を指しているのでしょうか。
目次
発達障害の「デコボコ」とは
インターネットやメディアで取り上げられ、今ではほとんどの方が知っている発達障害。発達障害とは、生まれつき脳機能の発達に偏りがあり、他人とコミュニケーションをとることや、想像力を働かせることなどが苦手である障害のことです。
発達障害を抱える人は苦手なことが多いですが、能力に偏りがあり得意なことはずば抜けてできることがあります。発達障害の人は山と谷のように得意な事と苦手な事の差が一般的な人よりも大きく、この能力の高低差が「デコボコ」と表現されます。
発達障害の種類について
発達障害には、大きく3つの種類に分けることができます。それぞれの特徴は以下の通りです。
自閉症スペクトラム(ASD)
相手の気持ちが読めなかったり、周りの空気を読むことが苦手な為、他人とのコミュニケーションが上手にとれなかったりします。また、強いこだわりを持ち興味や活動が限定される特徴を持ちます。①アスペルガー症候群②高機能自閉症③広汎性発達障害と言われることもあります。
注意欠如・多動性障害(ADHD)
集中力が続かず気が散りやすい、忘れっぽいなどの「不注意」、落ち着きがなくじっとしているのが苦手な「多動性」、衝動的に思いつきで行動したり喋りすぎてしまう「衝動性」の3つが主な症状の特徴的です。
学習障害(LD)
知的レベルや本人の努力に問題がないのに、「話を聞くことや話すこと」、「文字を読むこと」、「計算すること」、「推論すること」のいずれかを学ぶことや、使うことが困難な状態です。①読書障害②書字表出障害③算数障害と言われることもあります。
上記3つの症状にもそれぞれ人によってばらつきがあることや、普通の人にでも当てはまる特徴であるため、自分では周りとの温度差に気づいていたとしても周囲には気づかれないまま大人になってしまうケースが多くあります。普通にしているつもりでも周りからは「少し変わった人」扱いを受けるため、精神的苦労が一般の人に比べ多くなるのも特徴です。
注意欠陥障害(ADD)とは
私自身は(2)に分類される「注意欠陥障害:ADD」の障害を抱えています。ADDは注意欠陥障害と呼ばれ、ADHDの症状に見られる「多動性」はないものの、1つの事に関して注意や関心を保つことが難しい特徴を持ちます。
例えば、朝起きてから出勤するまでの間は短い時間にいくつかのタスク(起床→洗顔→朝食→ニュースのチェック→歯磨き→着替え→出勤)を順々にこなさなければなりません。
しかし、歯磨きをしている間に部屋の汚れが気になったりすると、本来やらなければならないことを後回しにして、すぐに終わると思い部屋の掃除にとりかかってしまいます。一度掃除を始めてしまうと他の箇所も気になってしまい、気づいた時には家を出る時間をとっくに過ぎていて、遅刻してしまうことが多かったりもします。
他にも仕事でミスの許されない大事なデータ入力作業をしていても、周りの音が気になったり、別の事が頭をよぎり、結果的に入力項目を飛ばしたり、入力ミスをしてしまいます。このように注意力が欠如してしまうことにより日常生活で様々な困難に直面することとなります。
発達障害のグレーゾーンとは
発達障害のグレーゾーンとは上記3つの発達障害の特性は持っているが、診断基準は満たさない状態を指す通称です。発達障害の特徴は一般的な人にも表れるもので白黒つけられるものではありません。一般的な人が白、発達障害を抱える人が黒だとしたら、その中間のグレーが、発達障害のグレーゾーンと呼ばれる人たちになります。発達障害かそうでないかは、数値のように具体的に判断できるものではないため、見極めるのが難しくなります。
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