発達障害を抱え公務員として働く上で必要な能力とは

前回の記事では私が一般行政職の公務員になり、初めての配属先が予想外の税務課だったことについてお話をしました。税務課には「課税グループ」と「納税グループ」があり、私の所属する部署は「課税グループ」に決定しました。当初はパソコンにひたすら向かって税金の計算をしていく事がメインの仕事だと思っていましたが、実際は税金の計算以外にもやることが沢山ありました。

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税務課は覚えることが多すぎて頭が何度もフリーズする

税務課はとにかく覚えることが沢山ありました。4月の税務課は繁忙期真っただ中。新人の相手をしている暇はないからと研修テキストを渡され、自席でテキストを読むことしかできませんでした。慣れない職場で、専門用語が飛び交い、名前と顔の一致しない先輩職員達が電話対応や来客対応をテキパキとこなす姿を見て、騒がしい空間の中で「私もいつかあんな風にテキパキと仕事をこなすようになれるのか?」と焦りと不安で既に頭がパンクしそうになっていました。新人として税務課に配属された私と、他の部署から初めて税務課に異動してきた先輩職員は、税務課で働く以上税の知識がなければ仕事にならないので、内部の研修や外部の研修に参加し、ひたすら税金について学びました。研修は講義形式で、学校の授業の延長のようなものだったので、研修に行って勉強している時だけは苦ではありませんでした。

税務課として働くにあたり税金の知識は大事でしたが、公務員として働く上で必要な知識や能力も並行して習得していかなければなりませんでした。

公務員として必要な知識は、法律や条例、文書規則、会計経理、予算等があげられます。知識を学習することに関しては時間をかければ覚える事もできたので、そこまで問題はなかったのですが、公務員として働く上で求められる能力が発達障害の私にとって非常に高いハードルばかりでした。

公務員として働く上で必要な能力

「公務員として働く上で必要な能力」は主に以下の3つがあげられます。

事務処理能力

公務員に必要な能力の第一にあげられるのが、「事務処理能力」でしょう。傍から見ると一見暇そうにしているイメージの公務員ですが、実際の事務量は膨大です。その理由の一つとして、公務員の仕事のほとんどは「郵送」などの細かいことまで、起案をして所属長なりの承認を得た上で行うことができるからです。どんなことでもきっちりと数字で管理して細かく記載して文章なりExcelにデータとして残す必要があります。その為必然的に事務量が増加するので、様々な事務を同時に素早く処理する能力が必要になります。

ミスなく完璧に仕事をこなす正確さ

公務員のほぼ全業務に渡って、ケアレスミスは許されません。私が配属された税務課に関しては、金額の入力ミスは、間違った税額を市民に請求することとなります。数値のデータ入力業務は膨大な数をこなさなくてはなりませんが、1件たりともミスをすることは許されないのです。ミスしないよう集中して入力しなければなりませんが、業務中はそんなことに関係なく市民は電話や窓口に問い合わせにきたりします。途中で業務を中断して集中力が途切れたとしても、また正確にデータを入力していかなくてはなりません。

コミュニケーション能力

どこの課でも、仕事はチームで行います。お互いに情報共有をしながら計画的に仕事を進めていかなくてはなりません。仕事の進捗状況を全体で把握するためにも上司後輩とのコミュニケーションは欠かせません。また、同じ組織の人とのやりとり以外に、公務員は市民と接する機会が多いため老若男女問わず相手が納得する分かりやすい説明をしなければなりません。

市民とコミュニケーションがとれずぶっきらぼうに話したり、オドオドと話をしていたら市民からの信頼はなくなり、クレームにもつながります。苦情対応も多いため、相手の話を最後まで聞きき、正当性のある意見なのかそうでないのかを判断し対応することも必要です。

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